人気ブログランキング | 話題のタグを見る

[鉄道本]所澤 秀樹:「鉄道時刻表の暗号を解く」

[鉄道本]所澤 秀樹:「鉄道時刻表の暗号を解く」_a0251950_01010241.jpg
 所澤秀樹さんの「鉄道時刻表の暗号を解く」(光文社新書)を読了。著者独特の言いまわしで解説した時刻表に関する雑学本。

 デジタル時代でもしっかりと“紙”の存在感を示しているのが月刊誌の時刻表だと思う。多くの人はスマホで路線や運賃を調べているだろうから、時刻表を使うのはかなりの少数派だろう。とはいえ、時刻表が刊行され続けるのにはある一定の愛好者がいるということか(おそらく部数は減らしていると思うが)。自分も小学生の時から時刻表を愛読していた。さすがに毎月購入したりしないが、大きなダイヤ改正がある時は卓上タイプの大判を購入するし、旅行に行くときはポケット版を旅のお供にしている。

 スマホアプリでは過去のダイヤは調べられないが、古くなった時刻表は時代を遡ることができるのが面白い。たとえば新幹線以前、飛行機が一般的ではなかった時代、北海道に行くのはとんでもない移動だった。東京から札幌までは鉄道と青函連絡船を使って20時間前後もかかり、鹿児島から札幌までとなるとまる3日もかかっていたことが時刻表からわかる。これだけ移動に時間がかかると出張で体調がおかしくなったサラリーマンもいたのではないだろうか。また、昔は長距離普通列車というのが走っていた。時刻表では時刻を示す数字がページの上から下まで連なっていた。自分の田舎の北陸線では米原〜長岡までという、北陸線の終点直江津からさらに信越線まで入るという客車の普通列車だったと思う。現在、もしこんな列車があったら18きっぷで全線走破しようとする強者の需要があるような気もする。

 興味深く読ませてもらったのが「バックナンバーで探る寝台特急の栄枯盛衰」。これは寝台特急1列車を1本の線で表示して、どのような寝台特急列車がデビューし消えていったのか振り返ることができる。最盛期には夕方東京駅から九州各地に向かう寝台特急列車が次々と出発していったが、現在は22時ちょうど発の「サンライズ出雲/瀬戸」のみだけとは寂しい。

 最後は時刻表から列車が1日どのように運行するのかというディープな遊び。首都圏の私鉄の時刻表もカバーした「マイライン東京時刻表」で、相互乗り入れしている列車の番号を追い、列車番号付番の法則性なども推測している。ここまでくると自分はついていけない世界ですが・・。

・「快速と準急はどっちが速い?」(2015.8.29)

by kei-u23 | 2017-12-14 09:25 | | Comments(0)